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冬山講習会Part2「日勝峠周辺」報告      2015.2/7-8
                                      道岳連普及委員会 委員長秋元筇男

 普及事業で行う講習会の狙いは、一般の冬山愛好家、及び冬山希望者に、冬山の魅力を感じてもらい、冬山にリスク
があることを受け止めてもらうことである。
講習の2日間は、山スキー、テレマークスキー、スノーシューの3ジャンルに別れた実技と、共通の座学講習の組み合わせ。
講習会Part1は基礎編、2は応用編として、出来るだけ2回続けての参加を求めたので、およそ9割は両方出席。顔なじみ
となっていて和気あいあいのムードだ。
Part2は22名の受講生のうち山スキー17名、テレマークスキー3名、スノーシュー2名。ほかにスタッフ11名の計33名の参加
となった。

 2月7日(土)は低気圧が近づいていたが、早さは遅く、日勝付近はまあまあの天気。時折、青空がのぞく。
山スキーA、B、及びテレマークスキー班は日勝ピークへ向かう。初心者で構成された山スキーC班は日高国際スキー場
で基礎トレーニング。スノーシュー班は熊見山方面を目指した。いずれも山頂、山頂附近からの展望が効き、冬山ならで
はの景色を堪能でき参加者は喜んでいた。
 国立日高青少年交流の家では16時から座学講習。坂井Lのテーマは冬山リスク全般。まず、受講生がどれだけ冬山知
識があるかをテスト、その回答を説明しながら講義が進む。次に、テレマークスキー特別講師の上野氏は「間違いだらけ
の用具選び」。身の丈に沿
った用具選びが重要との指摘だ。そして、新井Lによる明日の実技テーマ「ひとり雪洞」の解説、西谷Lの日勝エリアの地
形、雪質の特徴と明日
のコース説明。一息ついて、懇親会では参加者全員が3分スピーチ。これからの冬山、雪山目標等が交歓された。

1445峰を行くC班                          ペケレベツを背景にA班
 

 8日(日)はスタート時に曇りだったが、昼前には雪が降ってきた。
山スキーA班、テレマークスキー班は熊見山稜線から旧日勝スキー場方面の尾根を下る。B班は1本左側の尾根からスキー
場の終点付近へ向かう。途中、弱層テストやひとり雪洞を作る。
日勝ピークを裏側から目指したC班も課題を消化しながら、読図に精を出す。しかし、タイムアップで1250mまでで終了。
スノーシュー班は日勝ピークに達し、昨日に続き再びひとり雪洞を作る。15分以内でますます出来栄えのよいビバークサイト
が完成した。
 閉講式は予定を少し早め13時50分、日勝峠駐車場で行い、集合写真も撮った。その5分後、参加者は健闘をたたえあい、
晴れ晴れした顔で別れを告げ、各地に散った。

一人雪洞を掘る                            木の根元に掘る
 

完成した?雪洞

 <スタッフ>
(山スキーA班)L西谷芳晴 SL加藤陽子
(山スキーB班)L坂井洋文 SL新井素子
(山スキーC班)L秋元筇男 SL玉木とし子
(テレマークスキー班)L上野英孝 SL難波正幸
(スノーシュー班)L新井孝
(現地本部)小野倫夫、藤野雄


冬季講習会に参加して
 2014年本州より転勤で北海道に住むことになり、今まで夏山しかやっていなかった私も雪国の山にも関心がわき、この度
冬山の基礎知識を習得する為に講習会に参加しました。
スキーから離れていたこともありましたが、じっくり冬山を観察できるのはやはりスノーシューではないかといった考えで、
今回はスノーシューを選択しました。
 Part1、2と参加しましたが、Part1で冬山を体感し、その教訓をもとに手袋、防寒、行動食などを修正することができ、
Part2に参加し実践・確認もできました。そういった意味でもPart1、2と続けて参加する意味合いもあったかと思います。
 初めての白銀の世界の冬山は大変美しく、一方で早いペースで変わる天気、厳しい風、
北海道の冬山の良さと厳しさを体感できました。また、雑誌等の写真では見ていましたが、実物の雪庇とそのルートの対応、
雪崩の基礎知識とハンドテスト、雪洞堀り、その大きさとスピード、現地での実践が雑誌では得られない貴重な体験でした。
 講師の新井講師は冬山に対応すべき基礎知識を、例えば、雪洞堀りでの装備を無くさない、斜面で滑らさない工夫、その
他スノーシューでの斜面の歩行法、ルート等々適切に細かく解説して頂きました。また、持つべき装備では自身の装備を紹
介しながら丁寧に解説して頂き大変勉強になりました。
 最後に、この様な機会を作って頂いた北海道山岳連盟の方々に感謝すると共にこれからのご発展をお祈りいたします。
(谷岡)

冬山講習会Part2に参加して
 好天の初日、山スキーA班(西谷L、加藤SL)は、まず、全員が日勝峠1445峰の進行方向をコンパスの操作実習で確認し
ました。体が重いと感じながらもゆっくりと追随し何とか1445峰へシール登坂、そして待望のペケレベツ岳に向かう斜面を
滑降実習です。深雪には届かない少し重めの雪でしたが、スキーがレベルアップしたのではと勘違いさせてくれる絶好の
雪質を楽しみました。
 その後、研修所に戻り座学講習です。雪崩、冬山気象、冬山の道迷い、フォーストビバーク時の雪洞掘りなどを受講しま
した。また、上野特別講師から生涯スポーツを実践するためにも自分の力量に適したスキー選びが大切であると提示され
ました。スキー道具の重要性は、困難な状況になるほど、安全スキーに直結する事だと気付かされました。
 二日目は、ガスって視界がきかない中、熊見山方面へ向かい、昨日の座学講習を思い出しながら、雪庇下にて各人が
雪洞ほり、弱層テストの実習を行いました。その後、旧日勝スキー場方面へ滑降実習です。滑りやすい雪、固く締まった雪、
クラスト、モナカなど雪質がめまぐるしく変化し、楽しいながらもかなり四苦八苦でした。そんな中、テレマーク班の上野特別
講師と一緒に滑降する機会にも恵まれました。世界中で競技をしていた方の滑りは、無駄が無く華麗で力強い。圧巻!
 素晴らしい雪山、楽しい山スキーの反面、冬山は危険といつも隣り合わせであること、改めて冬山に入る知識や技術、
そして道具選びの大切さを再認識させられました。安全登山、安全山スキーの啓蒙にご尽力頂いている道岳連の皆様に
感謝いたします。
(加我)

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