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  H27夏山講習-PartⅡ 「東山&ペンケヌーシ岳」報告

普及委員会委員長 秋元筇男

内容   「初めての藪山歩き&沢道から花の山へ」
日程    平成27年7月11日(土)~12日(日)
宿泊    日高青少年交流の家
受講者 25名(一般9名・個人会員8名・山岳会会員8名)
スタッフ 藪山(大岡良美ほか)、ペンケヌーシ岳(西谷芳晴・新井孝ほか)、総務(新井素子・秋元筇男)、
      アドバイザー(神山健)
行程  7月11日(土)9:30日高青少年交流の家集合、開講式、オリエンテーション 
      10:30~14:30藪山歩き(東山811m)
      16:00~17:30座学 
      18:00~夕食(ジンギスカン)、懇親会
    7月12日(日)6:00~8:30起床、清掃、朝礼、朝食
              9:30~15:30ペンケヌーシ岳登山1750m
             16:15閉講式(交流の家)、解散
行動記録 
<1日目>
  
            山親父の置き土産                        道なき道を(東山)

 受付、開講式、体調、装備点検の後、きょうの講習テーマ<山中で道に迷った時どうするか>実施に
向けバスに乗る。登山道を歩いていても、いつの間にかルートを外してしまう。そしてパニック状態に陥る。
そんな道迷い事故が多い中、冷静な判断をして、正しい登山道に戻るためにはどうするか。或いは道を
見失わないためにはどうするか。藪山を登山しながら対策を考えようというもの。
 藪山・東山は道岳連日高登山研修所の近く。藪山リーダー・大岡さん(苫小牧山岳会)に導かれ、新井・
西谷両リーダー(普及委員)に従ってブッシュの山を登る。途中、林道を何本もまたぐ。地形判断、読図、
目印のテープ付け等、藪山歩きに必要な技術を体験する。近くの帯広が30度越えの真夏日、慣れない
藪漕ぎに汗も吹き出し、受講者が身近に感じる道迷いという遭難事故の疑似体験。参加者には相当の
インパクトを与え、手前みそながら企画は好評であった。
 ひと風呂浴びた後、交流の家に戻り座学を行う。「登山道の無い(道に迷った時の)山歩き」(大岡良美)、
「(道に迷わないために)ベアリング表を作ってみよう」(新井孝)、「沢から花の山・ペンケヌーシ岳登山概要」
(西谷芳晴)。座学の後は、いつもと一味違う夕食会、炭おこしから片付けまで、みんなで楽しむジンギスカ
ン。手違いは多少あったが、その後の懇親会ともども、中高年の楽しい交流モードが続いた。

<2日目>

     沢登りに挑戦(ペンケヌーシ岳)

 昨日より気温が高いというニュースが伝わる。しかし、きょうは日高の花の名山を目指す。昨日の勉強登
山とは違う行動計画に、参加者は気分高揚。幸せそうな表情を浮かべている。そのほとんどはペンケヌーシ
初経験。いつも以上に慌ただしい宿泊所のお勤め(掃除、朝礼ほか)を済ませ、小型バス(中・大型バス禁止)
で登山口まで入る。稜線に至る沢口で記念撮影を行い、コンパスを切り、沢中、沢沿いの夏道を登る。2~3度
渡渉する。滑る、岩を飛ぶ、岩を跨ぐ。約半数は、こんな沢中登山ルートも初めて。やがて沢水も切れ、待望の
お花畑が広がる地点に至る。さらに低木地帯を過ぎ、稜線の砂礫帯やらハイ松帯を通り、青空ではなく、もやっ
たような感じの山頂に全員集合した。360度のパノラマ、素晴らしい日高深山の展望だ。帰路は後半、う回路を
たどって登山口へ。その道は疲労した足の休養になった。

 
                      笑顔あふれて

(受講者からの便り)
『2015年研修登山、ペンケヌーシ岳に参加して』
 2015年7月11日から12日に日高町青少年自然の村9時集合より始まる研修登山。登山道のない東山へとバス
で移動、地図とコンパスを活用して位置と進むべき方向の確認をする練習。気温も高く風もなく見通しも利かない
中、自分の汗と格闘しながらの初日研修でした。
 お約束のBBQは火を熾し、野菜をカットすることから始める野趣溢れる晩餐会。食尽くし、飲み尽くし、話は尽き
ないまま満天の星空に送られて、終了となりました。
 翌朝、いよいよ日高の奥深いところにあるペンケヌーシ登山口に向けて出発。期待と不安がない交ぜになる
緊張する時間です。登山口正面の滝を見上げ登山開始。右に左に川の渡渉、滑る転ぶ濡れることを繰り返す
私を力強く引っ張り上げてくれるリーダーが心強く、初めての沢のぼりが楽しい山行となりました。
 チングルマ、クワガタ、シラネアオイ、ヒダカキンバイの見事な花畑、ウコンウツギの咲はじめ、コマクサの小さな
花畑を見ながら頂上へ。360度の眺望も存分に楽しみ大の字になって見上げた空の深さが心に沁みましたペンケ
ヌーシに雫した汗、残した足跡、明日は土を一度も踏むことのない札幌にいることに思いを馳せながら、山岳会の
みなさまと仲間に感謝いたします。    (Y・O)

『夏山講習会に参加して』  
 7月11日、道岳連普及委員会主催の夏山研修会に参加させていただきました。登山道のない藪山への挑戦はも
ちろん初めて。地図とコンパスを頼りに道なき道を必死に歩いた辛くも楽しい山行でした。それも、これも道岳連の
皆様の丁寧で親切なご指導のおかげであったことは言うまでもありません。
 A班の大岡さんの真摯な山への姿勢とリーダーとしての力強さからたくさんのことを学ぶことができました。私は、
B班で西谷リーダーのすぐ後を歩く役割でしたが、ついて行くのに必死でパーティ全体のことを考える余裕がありま
せんでした。大いに反省するところです。
 東山山頂に辿り着きその狭さと、眺望の無さに些か驚きましたが、その達成感は予想以上のものでした。帰りも
緊張感途切れず無事の下山となりました。宿舎に戻り、一日の振り返り講習が藪山登山の経験のまとめになりまし
た。一つだけ、生意気を言わせていただければ休憩が多すぎたと感じています。これは、スタッフの皆さんのご配
慮と痛感し大変ありがたいのですが、経験不足のせいもあり体と意識のバランスが上手に取れないと感じました。
 夕食はジンギスカンと美酒、山行の後だけに五臓六腑に沁みわたりました。更には、一日を通じて多くの皆様と
お知り合いになれたこともこの会ならではの持ち味と大いに感謝しています。
 スタッフの皆様とご参加の山を愛する皆様に心より感謝しています。是非、次の機会もご一緒させてください。あ
りがとうございました。            (W・W)

『夏山講習会 part2に参加して(道なき山を歩く)』
 本格的に登山を始めて かれこれ10年。それはいつも 道のある山でした。素人がガイドブック片手に、登れる山
を探しては登る繰り返し。3?4年そんな山歩きを続けるうちに、何度か道を失い 怖い目にあった事もあります。
無事に下山したものの、今に遭難するかもという危機感から、講習会に参加することになりました。
1日目    藪山
 藪山歩きはとても有意義でした。あわてず、あせらず行動する、全体を良く見る、良い経験になりました。811mの
日高東山とはいえ、藪を行くのはなかなか大変です。疲労の度合いを考えると倍以上の高さの山を歩いた感じです。
GPSの時代ですが、やはり基本は読図、コンパスが使えることだと思います。昨年、GPSがあったのに春山で迷い、
12時間もさまよいました。ついには バッテリー切れ! 下山時は 真っ暗でした。
2日目   ペンケヌ―シ岳
 好天に恵まれ涼しい沢登りを楽しめました。稜線に出てからの展望の素晴らしさも感動です。でも、山はお天気次第。
急な天候の変化に、増水したら、ガスったら、一人だったらと考えると緊張します。また、登山口までの林道の長さ、険し
さは この山が深山であることを知らしめてくれました。一人だったら 眺めもいいし まあこの辺で弁当でも食べて帰ろ
うかと考えてしまう私ですが、同じ思いを持った人たちと登る楽しさ 経験豊富なスタッフのいる心強さは 励みになります。
 山は経験の積み重ね、色々なタイプの山を数多く登ること。山は楽しくなくちゃーと、掛け声をかけてくれたスタッフの
方々と熱心な参加者の皆さまに励まされ、これからも安全で楽しい登山を続けたいと思います。         (T・Y)

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