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   第12回JOCジュニアオリンピックカップ大会報告

8月14日(金) 大会1日目

 前日からの雨が朝まで残り、会場に着いたときはまだ霧雨。雨の影響をさけるため、女子
ジュニア・ユース
Aの開始時間を2時間繰り下げして予選が開始される。ルートは左から順
A壁女子第2グループ(ユースB)、B壁男子第1グループ(ジュニア、ユースA)、C壁男
子第
2グループ(ユースB)、D壁女子第1グループ(ジュニア、ユースA)。グレードは順に
5.11c(予想)、5.12c、5.12c、5.12a/b(予想)。

 北海道選手団の10名のうち最初の登場は杉本選手(男子・ジュニア)。ジュニアの最終
選手として登場で周囲の期待の中、危なげなく完登を果たす。B壁の完登は83名中、10
名であった。

 次いで小武選手(女子・ユースB)。全女子の中で1番手の登場であった。下部のカチホ
ールド部も落ち着いてこなし、傾斜の増す部分のハリボテホールドのクリップに手間取り何
度もムーブを考え粘るも、ついにはクリップできずフォールする。

 3番手は女子ジュニアの能藤選手。ジュニア2番目ということで、参考になるムーブをほ
とんど見れずオンサイトに近いトライとなった。1つ目のハリボテを越えるところで粘りを
見せ突破するも、2つめのハリボテ前のカチでフォールする。

 4番手山本選手(女子・ユースB)は競技歴1年に満たないながら、うまい足使いで上部
に達する。小武選手と同じホールドを保持してフォール。

 5番手は岡部選手(男子・ユースA)。落ち着いた登りで垂壁を突破し、核心部分へ入る。
多くの選手がフォールしたホールドをぬけ、かかりの悪いホールドからのクリップで力を使
い、フォール。惜しいトライであった。

 6番手は佐藤選手(男子・ユースB)。決勝進出が期待される。下部垂壁は余裕を持って
通過し、傾斜壁へ。力強い突破を見せるが、厳しいホールドに手を出しながらのフォール。
18位であった。

 7番手は三上選手(男子・ユースA)。彼も競技歴は浅いが、落ち着いて進む。垂壁の最
後の部分でフットフォールドに嫌われてフォール。手には余裕があったようで残念であった。

 8番手は四ツ屋選手(女子・ユースA)。下部の核心を難なくクリアし、トラバースも力
強く移動。多くの選手が落ちた赤いハリボテを片手に保持し両手に移るかというムーブでフ
ォール、13位。このハリボテを止めれば決勝に近づけるだけに、惜しいトライであったが、
翌日に望みをつなぐ。

 9番手は佐々木選手(女子・ユースB)。声援に振り返る余裕の中、核心のハリボテにも
手を触れずに通過する。快心の登りで最上部へ。完登かと期待されるが、ゴールタッチでフ
ォール。15位。実に惜しかった。

 10番手は小山内選手(男子・ユースA)。下部は落ち着いてこなすが、パターンを多用
する足使いからの一手が遠くフォール。実力を出しきれずに終わり残念であった。

 1日目の北海道チームは持てる力は出した登りができたがあと1手、あと半手の粘りがあ
れば決勝ラインに近づけるものも多く、明日のさらなる粘りに期待したい。

8月15日(土) 大会2日目

 昨日のルートをそっくり入れ替えて2本目の予選が開始された。
 1番手は佐藤選手(ユースB)。今日の結果次第では決勝進出が可能である。軽やかな登り
で高度をかせぎ核心部分で足をすべらせフォール。本日14番目の成績で、トータル18位。
来年の決勝進出が期待される。

 続いて岡部選手(ユースA)。力強く安定した登りで下部をこなし傾斜壁へ。核心部のホー
ルドに右手がかかれば上位進出も見込まれたがタッチ落ちでフォール。昨日より順位を上げる
もトータルで23位。

 3番手は佐々木選手(ユースB)。軽快な登りで中間過ぎのハリボテも難なくこなしゴール
に迫る。ゴール2手下のスローパーホールドに何度も手を出すが保持できずフォール。トータ
ル17位。10位タイの15人までが決勝であっただけに1日目のフォールが惜しまれる。

 4番手は三上選手(ユースA)。垂壁最後のクリップをとばし強引に傾斜へ突入。捨て身の
ランジで高度をかせぎ昨日より順位を上げトータル42位。

 続いて小武選手(ユースB)。動きよく核心部ハリボテへ。両手保持を決めそうになりなが
ら惜しくもフォール。トータル35位。

 6番手は四ツ屋選手(ユースA)。安定した登りで核心のホールドを保持、右手の丸い巨大
ホールドも保持し、手に足ムーブに移るところで足が切れフォール。トータル13位。前日の
登りが10位までの決勝進出を妨げる結果となり残念であった。

 7番目は山本選手(ユースB)。下部では大胆にホールドをとばし、長い手足を十分に生か
した登りを見せるが、中間部のハリボテ前のカチホールドからのムーブに手こずりフォール。
前日の成績(38位)から下げトータル47位であった。

 続いて佐藤選手(ジュニア)。落ち着いた登りで核心部に近づく。足を振るわせながらも左
手をハリボラホールドへかけ、右へ動こうとするところでフォール。前日の順位からひとつ上
がり20位。

 9番手の小山内選手(ユースA)。前日よりもパターンを利用した足使いもよく上部へ。垂
壁最後のホールドへ手を出すが、タッチ落ちでトータル52位。

 最後に登場は杉本選手(ジュニア)。全ての男子選手のトリでの登場である。「優勝候補」
のアナウンスの中、力強い登りをみせ、危なげなく完登を果たし、1位タイで決勝進出を果た
す。本人は「待ち時間の暑さからパンプ気味だった」とのことで、明日のコンディショニング
は慎重に行ってほしいと考える。

 予選2日間を通し、選手は各々に自分の力を出したとは思うが、あとになって「もったいな
い」「悔しい」などの感想をもらすものが多かった。1本の登りに集中し、何が何でもという
気迫に欠けた面があるのではないだろうか?国体本戦にむけ、死にものぐるいで力をつけ、悲
願を達成してもらいたいと思う。また明日の決勝の杉本選手の優勝を願う。

8月16日 大会3日目

 各カテゴリー10名ずつ(女子ユースBは14名)がオンサイトで決勝を争った。北海道
唯一の決勝進出者杉本選手(ジュニア)は優勝およびクリスタルカップの獲得(全カテゴリの
1位)の期待がかかる。5.13bかcといわれるルートに完登者ゼロのまま杉本選手の登場。
場中の声援も一層高まる中、リズミカルに前半をこなし一手一手優勝に近づく。核心部の遠い
ホールドへの左手が保持したかに見えたがそこでフォール。

 長谷川慎平選手とのスーパーファイナルにもつれ込む。ルートは完登ゼロの女子ルートの上
部をさらに急傾斜にした5.13a。スピード勝負とみた杉本選手はほぼノーレストで上を目
指す。場内のどよめきの中、女子が誰一人さわれなかったゴール2手下のホールドにタッチ。
優勝は堅いと思われたが、長谷川選手がさらに一手先をタッチし決着がついた。ジュニア2位、
総合5位という結果であった。それぞれが悔しさを感じた3日間であった。国体での巻き返し
を期待する。
                                                                      (文責・畑野)


リザルトは 日本山岳協会HP の 競技→競技会結果 をご覧下さい

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