2014.8/13記事追加(スタッフ報告CL山川明男、<参加者からのひとこと>)
H26夏山講習会partⅡ トムラウシ山 2014.7/25-27 報告 普及事業委員会秋元筇男
期日:平成26年7月25日(金)~27日(日)
参加人数:27名(一般参加者13名、加盟山岳会員8名、) ※6月8日定員
スタッフ:6名 (秋元、小野会長、太田、荒堀、山川、澤田)
<全体行程>
7/25(金) 晴れ時々曇り
14:00トムラウシ温泉東大雪荘集合、受付
14:30開講式:道岳連 小野倫夫会長
講習会: ①トムラウシ山コース概要:荒掘英雄氏(新得山岳会)
②高山植物100種紹介:太田紘文氏(新得山岳会)
③明日のパーティ編成・留意点:山川明男氏(新得山岳会)
7/26(土) 曇り午後雨
東大雪荘(マイクロバス)3:50~4:25短縮路登山口4:40~カムイ天井5:30~7:20コマドリ沢7:40~前トム平8:40~
トムラウシ公園9:10~十勝岳分岐10:00~10:40山頂11:00~コマドリ沢13:50~16:40登山口16:50=17:20東大雪荘
18:40閉講式、懇親会
7/27(日)雨時々曇り
9:00自由解散
<事業実施状況>
道岳連一般事業の共通テーマは「もっと深い山を見たい」。その趣旨に沿って、夏山講習会2回目は「トムラウシ山」
が選ばれた。参加者には、長距離行程をなるべく疲れないで歩く技術、豊富な高山植物に代表される自然環境の
見方等、今回の登山の中で少しでも身につけてほしい、という願いを込めた。また、チーム登山の楽しさを感じてもら
うことも、課題とした。普及事業1回目「暑寒別岳」同様、トムラウシ山をよく知る地元・新得山岳会に全面的な協力を
仰いだ。
7月25日(金)トムラウシ温泉東大雪荘で午後、小野会長の開講挨拶のあと、トムラウシ山の100種類の高山植物と、
距離が長い登山コース、及び、登山の留意点を、地元・新得山岳会の荒掘氏、太田氏、山川氏から紹介と説明を
受ける。参加者の8割以上が初めてのトムラウシ山だけに、真剣な空気が漂う。
7月26日(土) 3時起床、4時40分短縮登山口を出発。3班
新道(旧道は廃止)はカムイ天井からの尾根を進み、コマドリ沢へまた下る。
カムイ天上
コマドリ沢分岐
コマドリ沢
ロックガーデンを過ぎるといよいよ花畑が展開する前トム平、トムラウシ公園。
エゾイチヤクソウ カラマツソウ
マイヅルソウ ウコンウツギ
その頃から、いかにも雨になりそうな黒い雲がやってくる。しかし、山頂まではもつ。26名全員が山頂に立つことができた。
その後、ぽつぽつと降ってくるので下山を急ぐ。コマドリ沢を過ぎるといよいよ本格的な強い雨。登山道は、事前に説明
を受けていたが、泥沼、田んぼのような状態に変わっていた。雨具を着ていても身体の中までびしょ濡れ。
登山口までの3時間弱が苦行のように過ぎてゆく。種類が多い高山植物、距離の長い高低差のある悪い道、強い雨と風。
参加者にとって、今回のトムラウシ山はかなり印象深く、勉強になったようだ。(その分、夜の懇親会は盛り上がった。)
ゴゼンタチバナ イワブクロ
エゾコザクラ エゾツツジ
エゾヒメクワガタ シナノキンバイ
チシマキンレイカ チシマツガザクラ
リンネソウ ミヤマキンポウゲ
アオノツガザクラ エゾノツガザクラ
エゾノハクサンイチゲ キバナシャグナゲ
イワヒゲ チングルマ
7ミヤマキンバイ ヨツバシオガマ
エゾウサギギク ミヤマリンドウ
イワイチョウ ウスユキトウヒレン
コマクサ チシマギキョウ
タカネシオガマ ミネズオウ
第1班(山川明男CL)、2班(澤田春佳L)、3班(荒掘英雄L)共、およそ6時間30分と予定していた登りが6時間、下りは後半、
強い雨にたたられ、加えて評判の悪道で、5時間の予定が5時間30分、それでも、ゆっくり花々を眺めることができた。
26人全員登頂はリーダーとチームワークの成果といえる。
閉講式、懇親会
7月27日(日) 東大雪荘ほぼ9時頃、参加者は各地に散っていった。閉会式は前夜に済ませていた。
(普及担当 秋元筇男)
<花の行動記録>
歩き出して間もなく目に入ったのは「エゾイチヤクソウ」さらに時期遅れの「ゴゼンタチバナ」「マイヅルソウ」など、沢筋に入
ると「ウコンウツギ」「エゾコザクラ」、前トム平付近では「イワブクロ」「チシマツガザクラ」「チシマキンレイカ」などが出迎えて
くれた。
トムラウシ公園は花園で「ミヤマキンバイ」「エゾノハクサンイチゲ」「トカチフウロ」「イワイチョウ」などポピュラーな花々が満開。
山頂に向かう登りでは、高山植物の女王「コマクサ」をはじめ「エゾノツガザクラ」「アオノツガザクラ」「チシマギキョウ」などなど
辛い登りも可憐な花々で癒される。近年「コマクサ」が増えたのには驚きでした。
また雪渓が後退した後には「キバナシャクナゲ」「チングルマ」などが咲き乱れ、他の山では既に散っている「ミネズオウ」、
過去に見たことが無かった「タカネシオガマ」などを発見したときには歓声が上がった。 (3班リーダー 荒掘)
<スタッフ報告>
夏山講習会「トムラウシ山」に参加の皆さんお疲れ様でした。
天候に恵まれませんでしたが、山頂から雲間に十勝連峰(オプタテシケ・美瑛・十勝・境山)、旭岳・白雲・化雲の頂が姿を見せて
くれました。しかし、360度の パノラマは次回の楽しみになりました。
往路は雨に打たれての下山で辛かったでしょうが、この経験は今後の山行きには必ず活かされます。
平素の生活を通し心身の鍛錬、読図などを習得し、原生美が残された東大雪の山々を再び訪れ、リフレッシュを計り、そのことで
明日からの活力源になることと思います。 (CL・山川明男)
2班のリーダーとして参加しました。特にアクシデントもなく、全員登頂、無事下山できてなによりでした。下山途中に雨が降り
出し、土砂降りの中、川の様になったドロドロ道を歩きました。雨天時は山に行かないことが多いと思うので、みなさんいい
経験になったのではないでしょうか。私ももっときちんと濡れ対策をしなくてはと反省しました。
スタッフとして気づいたこと。
我々スタッフをガイドと思っている参加者(一般参加者)がけっこういました。いわゆるガイドとは違うよな~とかなり違和感を
覚えました。最初のオリエンテーションで、「スタッフはいわゆるツアー登山ガイドではありません。これから経験を重ねて仲間
と山に行く時に、リーダーはどう行動すればいいかを学ぶ、参考にする、という対象にして下さい」という注意喚起があっても
いいなと思いました。 (2班のリーダー 澤田春佳)
参加者の感想をいくつか紹介します。
* トムラウシの山の風景やたくさんのお花畑を見ることができて感激です。
* 北海道の山を登り始めて最長の行程でしたが、無事下山できました。リーダーを含め女性は体力があり、事前にトレーニ
ングが必要だったかなと反省点していますが、これからも北海道の山を楽しみたいと思います。
* 憧れの山トムラウシに無事登って下りて来られ幸せです。しかし私にはまだ早かったでしょうか。登りの大岩で股関節を傷
めました。(大事に至ってはいませんが。)日々精進して今後はこのようなことのないようにしようと強く思いました。
* 雨が結構降ったけど、大変勉強になり、良かったです。
* ちょっと贅沢な講習会 に惹かれて
私たち恵庭山岳会の4名(永井清司、三上恵美子、山田幸子、本林)は、『トムラウシ山』(ちょっと贅沢な講習会)に惹かれて、
7月25日から27日までの夏山講習会に参加させていただきました。予想以上に一般参加者が多く、道岳連行事に対する興
味の高さを感じました。
講習会では
・ トムラウシ山登山道の状況(荒堀総務委員長)…カムイサンケナイ川を遡行するルートが、大雨による増水で事故が発生
したため現在は新ルートになったこと。
新ルートは雨が降ると泥沼になり、2年前から補修がおこなわれているが、対策が追いついていないことなど写真を交えて
紹介されました。
・ 豊富な高山植物(太田顧問)…トムラウシ山の高山植物約250種、その中から「ゴゼンタチバナ」は葉が6枚に成って初め
て花を咲かす、それまでには7年かかる。
「イワギキョウ」と「チシマギキョウ」の見分け方、葉が銀杏に似ている「イワイチョウ」等、実写した写真を使用して100種ほど
丁寧な講習を受ける。
その後、明日の登山概要、パーティ編成の説明(山川CL 新得山岳会)、パーティ別登山作戦会議があり、私たちの3班は全
員が会員であることから、荒堀リーダーから休憩した場所と時刻を地図上に記録し、仲間の山行に役立てられるよう指導を
受けました。
2日目、3時起床、登山口4時40分出発、天気は曇り、半袖では肌寒い。
コマドリ沢分岐7時25分、トムラウシ公園周辺の巨岩・奇岩・その周辺を埋め尽くす色とりどりの可憐な高山植物を楽しみな
がら頂上に向かう。10時40分、全員が山頂到着。残念だが雲に隠れて遠望はきかない。
11時下山開始。南沼キャンプ指定地を過ぎたころから雨が落ちてくる。雨はコマドリ沢分岐あたりから強くなり、新ルートは
雨水が流れ泥沼の様相、非常に滑りやすく歩きづらい。16時20分登山口到着。
宿に着くとすぐ温泉へ。雨と汗で濡れた体を温める。最後の夕食はビール付き。26名全員が怪我もなく下山できたことと、
道岳連の役員、新得山岳会のスタッフの皆さまに感謝の意を込めて乾杯! そして、懇親会へ。
翌日、私たち4名が乗る帰りの車中では、今回の講習会で他の山岳会員や一般参加の方々との交流ができて有意義だった
こと。登山中、高山植物の説明を受け、花と名前を一致させることができ勉強になったこと等々、非常に楽しい講習会であった
との感想が大半でした。
しかし、あえて言わせてもらいますと、参加者の中には、歩行スピード(特に歩き始め)が速く、辛いと感じていた方もいたよう
です。
今年度から個人会員制度が導入されます。これまでの未組織登山者の組織化を進め、安全登山の徹底等を図っていく趣旨
ですが、道岳連に興味を持って集まってくる多くの登山者が、個人会員になるのもよし、地域会員になるのもよし、組織の一員
として安全に登山を楽しむ仲間が増えることは大いに歓迎したい。勿論、恵庭山岳会においても大歓迎です。
この度の講習会、十分満足させていただきました。そして2泊3日の温泉泊まり“ちょっと贅沢な講習会”の味を堪能することが
できました。 (恵庭山岳会 本林尚之)
<参加者からのひとこと>
雨に打たれたドロンコ道、辛かった。
平坦、上り下り関係ない歩行力をつけたい。
夏山講習会(トムラウシ山)は毎年、開催していただきたい。
余裕ある日程で企画されたので登頂できました。
時刻表のように正確に通過できるのは経験なのでしょうか。