夏山講習会Ⅲ「美瑛岳・十勝岳」報告         普及委員会

日程  平成26年9月6日(土)~7日(日)

参加者 42名(うち、スタッフ11名)、山行参加40名(男19、女21)
     


第1日 9/6
 12:00大雪青少年交流の家集合、開講式(小野倫夫会長)
     

     12:30座学講習①十勝岳・美瑛岳の地形、火山の変遷(神山健理事長) 
     
     

     ②十勝エリア登山道の整備と問題点(内藤美佐雄自然保護委員長・美瑛山岳会)
     

     ③読図の基礎(コンパスの使い方)と実際(新井孝普及委員・苫小牧山岳会)
     

     

     

     

     15:30野外実習 読図、コンパスの使い方 十勝岳火山砂防情報センター前広場
     

     17:00 ユースピアタイム
     
     

     夕食後 19:00~20:30交流会
     
     

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第2日 9/7
 交流の家5:10=望岳台5:40~(美瑛岳→十勝岳22名、十勝岳→美瑛岳17名)
          ~15:35望岳台16:10=16:30交流の家・閉講式16:40解散

     
      <十勝岳通信担当>玉木とし子(普及事務局・ロビニア山岳会)

☆ 行動記録



十勝岳美瑛岳分岐 ここで二手に分かれる


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美瑛岳→十勝岳縦走班:22名(参加者18名、スタッフ4名)

9月7日(曇り時々晴)
4時起床。大雪青少年交流の家「ゆーすぴあ大雪」を出発。望岳台に向かう。(5:10)望岳台にて出発準備。予報では好天のはずが曇り空。しかし行動には問題なく、ストレッチの後出発。(5:40)
「泥流ルート」をゆっくりと歩いて行く。美瑛岳分岐で、地形図を使ってコンパスを美瑛岳の方角にセット。次に硫黄沢川に設置されたケーブルと泥流センサーを確認、なるほどと納得。
イワギキョウとアキノキリンソウが僅かに咲き残る雲ノ平を過ぎ、枯れ沢の崩壊した場所に。ここはかつての登山道が崩壊し、先頃、美瑛山岳会の手で修復されたばかり。ひとりずつロープで谷に下り梯子で登り返す。
ポンピ沢渡渉点ではこれからの急斜面の登りに備えて大休止。美瑛富士分岐までの約250mの急斜面を、焦らずゆっくりと登っていく。途中視界が晴れて歩いてきた雲ノ平が見え、一同感嘆の声が上がる。
美瑛富士分岐ではまた美瑛岳方向にコンパスをセット。ニセピークに騙されながら我慢の登り、ついに美瑛岳に到着。(10:25)
CLの「ここで引き返したい人はいますか?」の問いに、だれひとり頷く人はなく、元気良く十勝岳に向かって縦走開始。(10:40)
美瑛岳から下りていくと、早くも十勝岳縦走グループが上がってきて交叉。なんだか久しぶりに会ったような懐かしい気分。
鋸岳コルからはグザグザのアリ地獄的な急斜面を登らなければならず、ここが1つのネック。稜線に上がり新得側コースとの分岐を過ぎると、あとは頂上までの登り僅か。十勝頂上到着。(13:05)スタッフ(通信担当)の玉木さんが出迎えてくれました。記念撮影をして望岳台に向かって下山。(13:20)
避難小屋から下の泥流ルートは石ころゴロゴロの歩きにくい道で、疲れた足には本当にこたえる。既に下山していた十勝岳縦走グループの待つ望岳台に到着。(16:10)

☆ 感想
当日は曇り空ながら、要所要所ではガスも晴れて景色を堪能。予定時間を少々オーバーしたものの、参加者全員怪我もなく縦走を果たし、登山会を無事終了しました。(報告:新井素子)


十勝岳班と交差


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十勝岳→美瑛岳縦走班:17名(参加14名、スタッフ3名)

5:40 望岳台
6:35 十勝岳美瑛岳分岐 各班別れ
6:50-7:00 十勝岳避難小屋
8:00-10 すり鉢火口
8:30 肩下
8:55 肩上
9:10-30 十勝岳 地図と磁石で方角確認実践
9:55 鋸岳横通過
10:20-30 コル(用足しタイム)
11:10 ポンピ岩稜で美瑛岳班と交差交歓
11:45-12:00 美瑛岳 雨パラ雨具上のみ着る
13:00 美瑛富士分岐 雨具外す
13:55 ポンピ沢渡渉
14:10-25 北向き沢ハシゴ・ロープ場通過
15:00 十勝岳分岐通過
15:35 望岳台下山

行動中全体的にc1900m以上は雲の中で時折下界やかろうじて。下ホロは見えたが富良野岳、十勝岳、美瑛岳の遠望は望めなかった。
ポンピ岩稜東斜面は一面チングルマの綿帽子、下方には紅葉で赤黄緑の絨毯のすばらしい模様が見えた
行動は全員同一会員(遊悠倶楽部が集団参加)、普段一緒に行動している方々なので足並みがそろう。視界は悪く気温も低く休憩は短か目とした。
美瑛岳からの下りは疲れの出る頃、慎重にゆっくり行動となり、北向き沢のハシゴとロープは時間がかかるので越えた人は先に行ってもらい、全員無事完走が出来ました。(報告:土屋勲)


十勝岳山頂


美瑛岳班と交差



避難小屋分岐から美瑛岳班が避難小屋の上部岩場に見える


<担当からひと言>
☆ 地元山岳会の協力
今回も普及事業は地元山岳会、十勝岳・美瑛岳を知り尽くす美瑛山岳会・旭川山岳会に協力をいただきました。美瑛山岳会(内藤さん)は登山道に覆いかぶさる草刈りを事前にやってくれました。また、座学では崩壊進んだ沢形の状況を説明してもらい、梯子段やロープ使用に不安を感じていた参加者は、話を聞いて安心して登山に向かうことができました。十勝エリアに詳しい旭川山岳会から、2人のリーダー(土屋さん、音尾さん)を出してくれたのも助かりました。
☆ 今回の山行の狙い(参加者が学んだこと)
縦走中に仲間と出会える、交差縦走という山行形式が楽しい。十勝岳・美瑛岳の雄大な火山地形が面白い。火山礫に覆われた地形なので、いつも以上に道迷いに注意することが必要。だから、登山活動の基本である読図が意味を持つ。これらが夏山講習会最終回(3回目)「十勝岳・美瑛岳」の狙いであった。今回の山行をきっかけに、山行前の地図読み、山行中の地図読みを積極的に行い、さらに登山を楽しんでいただけたら、普及事業担当としてはうれしい限りです。(普及委員会:秋元筇男)



スタッフ 秋元、小野、神山、新井、新井、音尾、玉木、土屋、中村、内藤、藤野

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