普及へ  HPへ

2016.2/19  <参加者感想C>追加しました

冬山講習会Part2「中級山域・森とパウダー魅力の日勝峠」報告
                                                普及委員会(秋元)

日時  平成28年2月6日(土)〜7日(日)
宿泊  日高青少年交流の家
参加者 33名(受講者24名:一般5名、個人会員6名、山岳会会員13名、スタッフ9名)
(写真提供:新井孝、西谷芳晴ほか、参加者の皆さん)

2月6日(土)曇りのち雪(西の風6〜7m、気温マイナス10℃) 

一般登山者向け冬山講習会の2回目、小グループに分かれて、冬山登山の基礎を、楽
しさを学ぶことが目的。日勝峠のパウダースノーと、テレマークスキーWC5位の講師
が魅力で、道岳連個人会員や山岳会会員の参加者が多い。1日目は、緩斜面とやわらか
い雪が貯まっている1327P東斜面をトレーニングエリアとした。山スキー初級中級班
は何度か上り下りを。上級班は1327Pの裏側にも滑り込む。スノーシュー班は1327
Pから変化の多い森中へ進む。テレマークスキー班は、日高スキー場で基礎固めに専念
する。
夕方の座学は、傾斜を地形図からどう読み解くか。そして、北日高エリアのスキーの
魅力と地形、高価なスキーグッズの正しい見方、買い方。交流会では自己紹介や、道岳
連講習会への希望等で盛り上がる。




2月7日(日)雪(西の風7〜8m、気温マイナス15℃)

順調に事業が進むと思いきや、朝起きると体調不良2名。施設や近所の温泉でお休
みいただく。昨日と同じ編成で、1445Pとペケレベツ岳エリアへ向かう。山スキーは
1449東面で基礎に徹する班、Pから裏に回る中級班、ペケレベツを勾配のある日高側
から往復する上級班。スノーシューもペケレベツを日高側から往復。テレマークグルー
プはパウダー求め、1445Pから南面を狙う。
気温マイナス15度の冷たい雪降る中、しかし、風を避け、レベルに応じて各パーテ
ィは成果を得、午後2時20分に日勝峠に全員集結、閉会式、解散となった。





参加者感想@>
 山スキーの技術を少しでも向上させたいという思いで冬山講習会に初めて参加させていただきました。
 1日目、私の所属したグループは、熊見山北西方向にある1327峰に向かってコンパスの使い方と抜き上げキックターン
の練習をしながら登りました。深雪の中に潜ってしまい抜き上がらなかった私のスキー板も、懇切丁寧な指導のおかげで
スムーズに動かせるようになりました。滑りは、グループの皆さんがとても上手で、まぶしく見えました。下りてからまた登り
返して気持ちのいい斜面を滑りました。帰ってからの座学では雪崩の発生しやすい斜度を等高線から読み取ること等を学
ぶことができ、大変ためになりました。
 2日目は日勝トンネル手前付近からスタートして1445峰から少し回り込んで通称ホリゲレンデと呼ばれる斜面に出ました。
見事なオープンバーンに気持ちが大きくなり、思い切って体の上下動を試すことにしました。ストックと体の上下のタイミング
が合わないことが多いのですが、そのうちに偶然合ったのか、フッと軽くなり初めてターンができた時には感動してしまいまし
た。奇跡は続かず、次のターンでは転んでしまうのですが、何とかできるようになるのではないか、という感触を得ることがで
きました。この感覚が消え去らないうちに練習したいと思います。
 登り返して一人雪洞を作りビバーク練習もしました。雪洞の入口に使うツェルトは三種の神器と同じくらい重要だということ
をお聞きし、是非用意したいと思いました。
 今回の講習会では、少人数グループ編成だったので、細やかで内容の濃い指導を受けることができました。また、夜の懇
親会では、「次はこんなことをしたい」という話に意欲と
情熱を垣間見ることができ、良い刺激になりました。(ロビニア山岳会 佐藤)
 
参加者感想A>
 「テレマークスキー」と聞いて,どんな滑りをイメージするだろう。両脚を前後に広げて,腕をやじろべえのようにヒラヒラさせ,
片膝を折って上下動しながらの大回りターン。10数年前,すでに時代遅れだった細板革靴スタイルでテレマークを始めた自分
には,いまだにそんなイメージが根強く残っている。そう,ゲレンデで「お父さん,あの人へんな滑り方だね」と見知らぬ女の子
に後ろ指さされようと,動画サイトに「Mild Seven TVCM, Telemarkski '96」でヒットする,あの躍るように優雅な大回りターンこそ
テレマークの魅力なのだ…と。
 しかし,技術的な伸び悩みに影響を与えていたそんな固定観念が,今回の講習会で見事にブレイクスルーされた。
 1日目は,上野講師の提案もあり,ゲレンデでの講習。結果的にこれが2日目の大成功につながった。重点テーマは,「重力
を使い楽するテレマーク」と「板をトの字にしてスピード制御」。昨年の講習会でも教わった内容だが,体得するに至っていなか
った。特に楽するテレマークは,とりあえず朝一で1本滑り,すでに太ももが辛かった自分にとって,「これか!」と思えた瞬間,
本当に目からウロコだった。
 そのコツをおさらいすると,「@ターン後半の外傾Aターン前に足を入れ替えないBターンで上下動をしないCストックをなるべ
く遠くにつき最大傾斜線へ単純に体を投げ出す」
特にBは今まで囚われていた「テレ上下動説」を覆すほどの,コペルニクス的回転方法だった。後足(山足)がスッと抜けるので
ある。
 非常に濃い内容の講習を終えたテレ班それぞれが期待をふくらませ挑んだ2日目は,日勝ピークからペケレベツ岳方面への
標高差100mほどを登り返して滑った後,ピークに戻ってオープンバーンを求め右手へしつこく下の方まで楽しんだ。今まで深雪
になるととたんに滑りが崩れる自分だったが,この日は前日の講習内容に加え,深雪では積極的なドルフィンターンを利用すべ
しとの助言を得て,何とかコントロールの効いた「縦方向」の滑りができた。
 非常に寒い日だったが,上野講師に加え,難波さん,西嶋さん,私のおなじみテレ班4名は熱く燃え,昨シーズン実現できな
かったテレマークの集い実施を約束し帰路に着いた。(札幌山の会 大瀧)

参加者感想B>
 私は冬山講習会part1も参加しておりスノーシューの楽しさ、みんなでラッセルしながら進む面白さを知りました。2年前から、
地元の低山をラッセルしないですむ3〜4月頃、熊の冬眠を気にしながら単独冬登山をしていました。団体行動登山も本当に
楽しいですね。今回もスノーシューで参加です。初日の目的地は、日勝峠周辺の1327m峰、熊見山。 バスを降りて危険な道路
の横断を終えスノーシューの準備をしてコンパスを1327m峰に合わせます。順調に登っているとだんだんと天候が悪化、途中、
ピンクテープのマークを2か所つけ1327m峰登頂。万歳!この後熊見山への縦走を予定でしたがそれどころではない。まわりの
景色はなくなり猛吹雪、ホワイトアウト状態。サングラス、ゴーグルはくもり前が見えづらく、肌の出ている所は痛い位の寒さ。さっ
さと下山、コンパスを使いピンクテープ2か所を見つけて到着しました。
 ピンクテープの使い方、コンパスの使い方を学び大変貴重な体験が出来ました。
自然の家に戻ってきてから座学講習(雪山歩きの基礎)。雪崩の起きやすい斜度、地形図をみて山の斜度の分かる方法 斜度
35〜45度は雪崩が発生しやすい、入っては行けないなど。冬山登山を満喫できる山が多いようです。(北日高の魅力)スキース
ポーツには2種類あり障害者スキーには3種類のオリンピックがあるは知りませんでした。スキーのことで質問が多く出ていました
が、専門用語が多く私には意味不明。(生涯スポーツの現状)
 19:30から懇親会が始まりアルコールを飲みながら山スキーDVDの上映。あちこちで凄い かっこいい、素敵。黄色っぽい声援
が飛んでいました。確かに凄い。
スノーシューDVDはないのか?・・・・・駄目だ映像が地味すぎて、変な声援しか聞こえそうにない。上映が終わり普及事業恒例の
自己紹介バージョンに突入。自己紹介、近況報告、普及事業でしてもらいことなど、要望が沢山出ていました。
 テント泊登山がしたい 沢登り登山がしたい、縦走登山がしたい、クライミングがしたい、トムラウシ、幌尻岳に行きたいとか。い
ろいろ叶えてやってください。
 2日目は6:00起床、朝の集い、朝食を取り8:00に日勝峠周辺へ出発。今回は、班ごとに行き先が違い、日勝ピークに向かう班、
ペケレベツ山に向かう班とさまざま。スキー班各4班 スノーシュー班等、各班散らばっての行動です。スノーシュー班は1343mペケ
レベツ分岐まで行く予定。登山口からは、スキー班Aのあとスノーシュー班がスキートレースを借りながら出発。スキー班に追いつ
きそうで追いつけないスキー班の速さにはびっくり。かなり体力のある猛者の集まりではないか? スノーシュー班は黙々と登り
1163m当たりから風が強くなり、悪天候とまではいかないが取りあえず1268mぐらい行って考えることに。
 1268mまできて予定地の方を眺めると、雲は濃く風も強そう。ここ1268mをピークとし下山を始めました。快調に新雪を滑るように
(尻滑り、スノーシュー滑り)下りてきました。登山口近くで雪崩捜索ビーコン操作実習、リュックを雪に埋めてプローブ感触体験など
を行いスノーシュー班の工程を終了しました。バスに乗り込み日勝トンネル脇駐車場で閉講式、各班の終了報告、記念写真撮影な
ど短い時間ではありましたが今日1番の寒さでした。この場所で各自解散となり帰路につきました。
 今年度の普及委員会全事業を終えたということで役員の皆様、冬山講習会スタッフの皆様ご苦労様でした。(個人会員 吉川) 

参加者感想C>
 北海道に来て未だ北海道らしいパウダースノーを経験していなかったので、日勝峠エリアでの研修ということで飛びつきました。
下見の結果ではフカフカのパウダーとのことでしたので大いに期待していました。しかし、一方で未経験のパウダースノーでうまく滑
れるのか不安もありました。
 初日、班編成で山スキー班のA班に入り、1327.9ピークを目指しました。あっという間にピークに着き、シールを外して東側の沢に
ドロップするのですが、いつものように最初の滑り出しの急傾斜で腰が引けて2,3ターンで見事に転びました。その後は沢の中の
フカフカ雪を楽しめました。標高差で300mほど降りて登り返し熊見山との稜線の標高1,250m付近に出て、シールを外して西にトラ
バースして登って来たルートに合流しました。再び楽しい滑降になり、これで終わりかな?と思っていたら、西谷講師から登り返すと
いう指示がでました。精神的にしんどい気がしましたが、やっとスキーに乗れはじめたところだったので、この登り返しの一本は貴重
で快適な一本になりました。
 2日目はペケレベツの急な尾根を登って滑るということでしたが、バスのトラブルでスノーシュー班と同じ夏道を1343mピークまで登り
ました。ペケレベツの状況が悪いので、コルから東南東の沢に入ることになりました。沢に入って前日同様にフカフカの雪を期待して
いたところ、一部ガリガリ君があって足元を持っていかれそうになり、期待はずれな雪質でした。かなり下までフカフカとガリガリ君の
ミックスでしたが、登りに通過した1163mピークあたりからの斜面が雪の状況が良かったので、ここで登り返して一本滑ったのが今日
のハイライトになりました。
 2日間ともほぼ実践訓練という感じの内容で、登り返して滑るのは大変だけど得るものがあるということを学びました。タフな西谷講師、
ありがとうございました。  (札幌山の会 秋山)

普及へ  HPへ