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夏山講習会PartU「花の富良野岳」報告 

期日  2016年(H28年)7月16〜17日(土・日)
コース 第1日 富良野西岳(ロープウェー終点から往復)
    第2日 富良野岳(原始ヶ原〜富良野岳〜十勝岳温泉班、十勝岳温泉から往復班)
受講者 26名(一般7名、個人会員7名、山岳会会員12名)
講師  普及委員会(横山温、玉木とし子、秋元節男)、
     富良野山岳会(山名賢一、近田純美、高見直広、青木憲康)

概要  
7月16日(土)晴れのち曇り
 講習会本番の足慣らしに、ロープウエー利用で富良野西岳に登る。西岳は北海道100名山のひとつ、上富良野方面から尖った
頂が目立ってカッコイイ。軽いハイキングのつもりが、この日は蒸し暑く、参加者の足取りが徐々に重くなる。険しい斜面が現れ、
お花畑も出てくる頃、涼しい風に癒される。残念ながら、富良野岳、芦別岳はガスの中だった。スキー場から原始ヶ原入口のニン
グル小屋へ移動する。小屋での座学テーマは、自分達の登山と地域の活性化の両立を図る、地元山岳会の実情(パワーポイント
使用で山名さん)。その後の広場ではBBQ、山の幸あり海の幸あり。明日の本番に備え、9時過ぎには就寝となる。

7月17日(日)曇りのち(午後)霧雨
 ほぼ8割が富良野岳初体験、原始ヶ原コースからは未経験者ばかりだ。しかし、1,200mの標高差を登り、十勝岳温泉に降りるA班
に人気が集まる。十勝岳温泉往復のB班は5名と少ない。両パーティは同時刻11時に山頂に集結できた。この日の富良野盆地は
「ラベンダー祭り」で大にぎわい、山も最高の花シーズンで人だかり。それにも増して、花の100名山はすごい。山頂に近づくにつれ、
文字通り百花繚乱。花曇りも幸いか、花々が緑の中に浮きあがって見える。この山に固有の花エゾルリソウにもお目にかかれた。
霧雨で滑りやすい下山道だったが、全員無事に十勝岳温泉に到着。今回の講習会もまた、地元山岳会のみなさんに大変お世話に
なりました。山の花、人の心に一同、感謝感激だ。(秋元)

第1日 富良野西岳(ロープウェー終点から往復)




第2日 富良野岳(原始ヶ原〜富良野岳〜十勝岳温泉班、十勝岳温泉から往復班)


<富良野山岳会からひとこと>
 7/16.17日の両日、富良野西岳、富良野岳の登山の補助として参加することとなりました。7月の連休といえば富良野地域は
ラベンダー一色。道も中富良野に向かって大渋滞。それでも、そんなことよりも「山に登るために」皆さん、札幌、室蘭、遠くは
函館、千葉県からも参加者が集うとのこと。これは地元開催でもあり、富良野山岳会の会員でもある玉木さんの頼みというこ
ともあり、一肌脱ぎますか!!ということで山名さん、青木さん、高見さんと近田の4名で参加させていただきました。
 この時期の富良野岳は、高山植物が百花繚乱!花という花が咲き乱れ頂上直下は見事なお花畑となっているベストシーズン。
登山者はみなラベンダーよりも、チングルマやハクサンイチゲ、コイワカガミやコマクサに歓喜の声をあげていました。 
 私たち富良野山岳会は市民登山会でも6月第3土曜日(今までは第1土曜日)に富良野西岳、第3日曜日に富良野岳縦走登山
を行っていますが、この時期の縦走は余程でなければ足が向かず、雪渓の無い縦走はかなり厳しかったと高見さんからも報告
ありました。今回、西岳、富良野岳ともに、ガスの中の状態で、時折晴れ間が出てくるような天気でしたが、皆さん喜んで帰られた
のを見て、少しホッとしました。
懇親会も楽しく参加させていただきました。皆さんこれからもまたどこかでお会いできることを楽しみにしています。お疲れ様でした。
                                                                       (近田純美)

<参加者感想@>
 第2回 夏山講習会に参加させて頂きありがとうございました。また、富良野山岳会の協力を得て無事に山行出来たことに感謝
する次第です。初日は富良野ゴンドラから富良野西岳を往復、足慣らしのつもりが片道2時間強を要しました。山頂からは雲って
眺望は余り効かず、時折麓の富良野盆地が見え、南側には布部岳や松籟山?が確認出来ましたが、鋭峰芦別岳は最後迄見え
ずじまいでした。宿泊は原始ヶ原登山口の山小屋「ニングルの森」。最初に地元山岳会活動報告のレクチャーを受け、お楽しみの
BBQで懇親会となりました。食事は美味しかったが、座ったブルーシート下は硬い地面で足が吊りそうになりました。 (笑)
 二日目は早朝出発、林間コース途中から「不動の滝」を見て三の沢を渡渉、一登りで赤蝦夷松とワタスゲの奥に富良野岳の山容
が望まれる「原始ヶ原」に出ました。高層湿原の草花を観察しながら、雨で侵食された轍のような道を30分程進んで樹林帯。その先
のザレ場迄で4時間以上費やし、日射しはないが各々に疲れがみえました。振り返ると見える前富良野岳と前々富良野岳(俗称)の
姿が、ゴルフ場のようだと誰かが話していました。すでに原始ヶ原が随分と下に見え感動と勇気をくれます。
 稜線に上がればそこは天空の花園!今までの辛さを忘れてしまう程。もっとゆっくりと鑑賞したいが団体行動の難しさ、心残りだか
山頂へ急ぐ。示し会わせたかのようにほぼ同時に十勝岳温泉側からのグループと合流できました。頂きは連休とあって沢山の一般
登山客に団体30名弱では座る場所もなく、ガスで十勝岳方面も展望が効かず集合写真を撮影後、即さと肩分岐迄降りて食事休憩と
なりました。その間も様々な花が心を和ましてくれたのは云うまでもありません。途中、すれ違う時には一般登山客に大変御迷惑も掛
けてしまい申し訳なかったと感じました。中には憤慨して先を行く人もいて残念に思いました。分岐から霧雨となり、長丁場で足にきて
いる木段はとても滑りやすく油断出来ません。
 下山直後には地元の警察消防の方々が救出に向かうところでした。「見かけませんでしたか?」と訊かれ、後からの情報では骨折
のようでした。 何があるか常に気持ちと準備を怠らず、これからも楽しい山行を続けていきたいと思います。最後に、お昼の弁当は
最高です!ご馳走さまでした (^_^)v                                              (上富良野F・S)


<参加者感想A>
 1日目の西富良野岳は、小さなアップダウンもあり、気温が高かったのか、思いのほか汗をかきました。頂上は狭く高度感があり
緊張しましたが、足元にはお花も咲いていて癒されました。芦別岳方面の景色を期待していましたが、雲がかかり見ることができず
残念でした。ニングル山小屋前でのバーベキューを囲んでの交流会は、肉のほかに野菜や海鮮類が沢山あり、肉嫌いな私にとって
はとてもありがたかったです。
 2日目は富良野岳、原始が原林間コースに参加しました。5〜6年前に一度この登山口まで来ましたが、その日は朝8時まで待っても
他に誰も来ず、熊が怖くて諦めて帰りました。今回は仲間と一緒であり、わくわくした気持ちで参加できました。原始が原へ行く途中の
渡渉は木橋がかかっていましたが、滑りそうで緊張しました。私にとっての難所はここだったかも知れません。もしかしたら再訪は無い
かと思い、原始が原からの雪渓が残る富良野を目に焼き付けました。自然保護の観点から色々な考えがある中、今回は植物に配慮
しながら、湿原を自由に歩かせて頂き、自然との一体感を得ることができました。ザレ場の急登はダブルストックを使用したのが良か
ったのか、後ずさりすることはありませんでしたが、忍耐が必要でした。途中振り返ると、前富良野岳方面への稜線がくっきりと見えて
おり、登山道があれば縦走してみたいなあと思いました。富良野岳への稜線上に出ると、斜面一面に色とりどりの高山植物が咲いて
、思わず「うわー、すごい、素晴らしい」の声が出てしまいました。さすがに花の百名山であり、頂上も登山者で大賑わいです。下山時
の十勝岳温泉ルートで、私の大好きなエゾルリソウを見ることができて嬉しかったです。今回、変化のある原始が原からの縦走に参加
し、完走出来て大満足です。お世話になった道岳連、富良野山岳会の皆様、本当にありがとうございました。     (室蘭N・W)


<参加者感想B>
 初めて道岳連主催の講習会に参加しました。私はトレッキングを始めて1年目、自信のない私でしたが、今回は参加者の皆さんの励
ましの声を糧に、頑張ることができました。富良野西岳中腹に広がる花の種類の多さ、山頂では周囲の山々の景色と空気のおいしさ
に感動しました。浮雲も程よく影を作り、体感的には過ごしやすい日でした。
 2日目は十勝岳温泉から富良野岳往復のコースです。ウコンウツギ、エゾコザクラ、ツガザクラが咲く登山道を行き、頂上に達する辺
りからは山腹一面にハクサンイチゲの大群落、その中に違う花が混じり、それがポイントとなりより美しさが増す。あれほどのハクサン
イチゲを見たのは初めてでした。すれ違う人たちの感動する姿を見ながら、富良野岳はみんなに愛されている山なんだ、と思いました。
 次回の大きな山は道岳連の富士登山。歩きながら、その登り方を教えていただきました。今はそこに向け、近くの山で鍛錬を重ねて
います。いつかまた一緒に登った皆様とお会いしたいと思います。                             (函館、C・Yさん)

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