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第59回国民体育大会(埼玉国体)山岳競技会報告

                                北海道山岳連盟競技部国体委員会

1 日  程 10月23日(土)        総合開会式
      10月24日(日)〜25日(月) クライミング予選・縦走競技
      10月26日(火)        クライミング決勝・表彰式

2 会  場 縦 走 競 技:埼玉県秩父市武甲山縦走競技会場(成年男女)
              埼玉県小鹿野町観音山縦走競技会場(少年男女)
      クライミング:埼玉県加須市民体育館国体クライミングウォール

3 選手・監督
 成年男子 監督 石井 昭彦
        選手 門脇 竜二  川股 心   奥谷 和也

 成年女子 監督 長井 洋子
        選手 北島 あずさ 高橋 恵   青山 めぐみ

 少年男子 監督 奈良 憲司
        選手 塚田 洸    越智 將馬  國谷 斗馬

 少年女子 監督 山納 秀俊
        選手 田部 千絵子 瀬口 真希  萩原 亜咲

4 大会成績(団体成績)

 (1)成年男子(45チーム)
   縦    走:第41位(第1位 群馬、第2位 福島、第3位 静岡)
    クライミング:第24位(第1位 千葉、第2位 埼玉、第3位 茨城)

 (2)成年女子(15チーム)
  縦    走:第14位(第1位 京都、第2位 山口、第3位 埼玉)
    クライミング:第12位(第1位 埼玉、第2位 福岡、第3位 千葉)

(3)少年男子(16チーム)
  縦    走:第15位(第1位 長崎、第2位 神奈川、第3位 鳥取)
  クライミング:第 3 位(第1位 埼玉県、第2位 佐賀県)

(4)少年女子(15チーム)
  縦    走:第14位(第1位 鳥取、第2位 京都、第3位 高知)
    クライミング:第 1 位(第2位 茨城、第3位 長崎)

(5)総合成績
    男女総合(天皇杯順位):第 7 位(第1位 埼玉、第2位 長崎、第3位 千葉)
  女子総合(皇后杯順位):第 7 位(第1位 埼玉、第2位 京都、第3位 長崎)

5 総  評

  一昨年度から国体山岳競技は縦走とクライミングの2種目となり、各種別チーム3名のうち、1名が縦 走のみ、別の1名がクライミングのみ、残りの1名は縦走とクライミング両種目に出場することになって いる。
  本道選手団は各種別とも北海道ブロック予選会クライミング1位・2位と縦走1位の選手を選んでおり、 縦走や2種目総合の成績よりもクライミングを重視してチームを編成している。理由として、あと3年で 縦走が廃止されること、そして昨年度よりチーム毎の総合順位が廃止されて種目別に表彰されるようにな ったこと、また、たとえ北海道予選で総合1位だった選手でも、両種目とも中途半端な成績であれば全国 での入賞はとうてい望めないからである。特に縦走競技においては、他の都府県では陸上長距離や駅伝の 選手を起用してくるので非常に厳しいものがある。一方、クライミングについては、ここ数年で本道選手 の競技力はとみに向上しており、昨年の静岡国体では少年男子が4位、成年女子が6位に入賞している。 今年も、JOCジュニアオリンピックカップで上位に入った選手(少年男女)、ジャパンカップで決勝に進 出した選手(成年女子)を擁する北海道チームは、クライミングでの入賞を目指して大会に臨んだ。
 クライミング予選では期待通り、少年男子と少年女子が決勝進出を決めた。しかも少年男女4名の選手 が全員完登するというこの上ない滑り出しであった。成年男女はさすがにレベルが高く、惜しくも決勝進 出を逃したが、「北海道強し」と全国に印象づける予選になった。特に少年女子では2名とも完登したのは 北海道のみ、この瞬間から選手の意識の中には優勝することしかなかっただろう。
 クライミング決勝はまず少年女子、続いて少年男子が行われた。少年女子北海道の登攀順は最後である。 北海道が登る前までは、茨城県が左ルート1位(完登)、右ルート2位で他県を大きくリードしていた。こ れを抜くのは容易ではない。息を詰めて見守る中、右ルートを登る萩原選手(倶知安高)が茨城の選手を 3手越えた所でフォール、左ルートの田部選手(札幌南高)は最終ホールドを保持しながらも終了点のク リップに失敗しフォールした。両者それぞれのルートで2位に終わり、2人とも言葉が出ないほど悔しが っていた。嬉しさ、というより、ほっとした気持ちになったのは、複雑な式に高度を入れて得点を計算し、 確実に総合1位になったとわかった後である。
  続く少年男子のクライミング決勝は、予選で北海道を含め4チームが2人とも完登しているだけに、非 常にレベルの高い争いとなった。ルートも、トラバースしながら狭いブリッジを渡って隣の壁に移り、一 部、下降部分もあるという複雑なもので、さすがに完登者は出なかった。塚田選手(札幌南高)が左ルー ト5位、國谷選手(美唄工高)は右ルート2位の高度に達し、総合2位かとも思われたが最後に登場した 佐賀県に僅差で破れ、3位となった。
  縦走の選手もそれぞれ力を出し切り、ほとんどの選手が道外合宿時のベストタイムを更新した。ちなみ に少年の縦走専門の選手は、道外合宿で5回、同じコースを規定の負荷重量で走ってタイムを計測したが、 少年男子の越智選手(八雲高)が合宿時のベストタイムを5分縮め、少年女子の瀬口選手(札幌稲西高) はベストタイムを12分も縮めた。クライミング兼縦走の選手も全員が完走した。クライミングの試合を 明日に控えた中で過酷な縦走競技に挑み、完走するということは精神的にも大変なことであったはずだ。 縦走では競技得点こそ得られなかったものの、今回の天皇杯7位、皇后杯7位の成果は北海道チーム全員 の気持ちが一つになって努力した結果であり、そして、多くの方々の励まし、ご指導があってなしえたも のである。この場を借りてお礼申し上げます。

    (文責 競技部国体委員長 山納 秀俊)

成績詳細は 日本山岳協会HPの「埼玉国体総合成績」 をご覧下さい

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