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春の遭難対策.研修会 報告  2004.5/22-23 日高登山研修所

平成16年度の香の道岳連主催遭難対策救功訓練が目高町千栄の登山研修所とその周辺で行われた。
講習会には25名の参加が有り、「各地での遭対活動報告」、「ロープレスキューテクニツク」、「ロープによるセルフレスキュー」等極めて内容の濃い研修会であった。
特にロープテクニツクは反復練習が大切であり各山岳会に戻つた後の伝達講習、そして各自の繰り返し練習が大切である、と西城道岳連副会長、大橋遭対委員長から総括があった。
各地での活動と問題点として次の通りの報告があった。
【全体について】…大橋遭対委員長
道岳連の遭難対策活動には3本の柱がある。それは@事故を起こした時の為の保険加入の普及。A事故を起こさない為の予知技術と回避技術。B事故を起こした(事故に遭遇した)時の救急技術、搬送技術。
道岳連遭難対策委員会としては今まで年に1回文部科学省主催の登山研修会に指導員を派遣し伝達講習をやつて来た。その後山以外の分野から講師を招き夏・冬各一回勉強会を開催して来た。
【札岳連】…大藤札岳連遭対策委員長
札岳連の救助活動への要請はここ10年間ない。殆ど警察とヘリコプターで処理される。
具体的な訓練は6市(札幌・小樽・千歳・恵庭・苫小牧・室蘭)合同で年に1回持ち回りで行つている。
災害救助員の障害保険は無記名で15人分入っている。
【十勝岳連】…斎藤十勝岳連遭対策委員長
十勝支庁の中には市町村長が集まった遭対協が有り、ここが総括をする。
事故が起きたらその地区の町村長がリーダーになりまとめる。
この地区の事故の傾向は十勝地区は沢の事故、大雪地区は尾根の事故。年に10回はヘリコプターが飛ぶ。
事故対応は警察のレスキュー10人と山岳関係者20人の30人が一つの部隊となる。
訓練は夏・冬に1回づつ有り、冬は警察と合同で実施。
【網走地区】…滝沢遭対委員
網走支庁の26市町村で救助要請が出るのは斜里岳と羅臼地域で年に3回は出動した。
網走は警察から網走支庁へ、そこから遭対協への流れで出動となる。
訓練は網走支庁と北見方面本部の中に山岳会が入って年に2〜3月の冬時期に1回する。
他の地域と同様ヘリコプターの出動が殆どで救助隊が現場に到着した時には救功が終わっている事が多い。
【室蘭地区】…西城道岳連副会長
室蘭岳でここ3年間続けて事故があった。低い山でも市民登山会の中でも事故は起きる。
市民登山会での事故者は80kgの体躯の人で4〜5人でも運べなかつた。担架搬送は道の艮
い、条件の良い所に限定される。
研修と実践は5月22日は体育館にて器具の説明とロープワーク、ロープ間の乗り移り技術(ラッペル)
講習と実践を行った。
最近の登高器としてロープマンとタイブロックが有る、又プーリーと登高器がセットになつたミニトラクションも有る。流動分散の最近の方向としてはカラビナの手前で固定する方法が取られている。
ロープ間の乗り移り技術の研修とそれに必要なロ一プテクニック(マッシャー・オートブロック・マリナーズノット等)。
プルアツプの技術として1/3,1/5の引き上げロープの組み立て。
5月23目はチロロ林道奥の岩場にてプルアップとして1/3,1/5,1/7のロープワークの組み立てと実践を3チームに分かれて行った。
最後にロープパッスィング技術の研修と実践を行い全ての目程を終了した。

                                               以上 報告 寺口

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